源氏物語―光源氏の物語

光源氏の心の成長の物語として読むという方法は、成り立たないのだろうか?比類なき才能と容姿に恵まれた彼の誕生にまつわる秘話から始まり、謎につつまれた死に終わる部分を取りあえずひとまとまりとしてとらえ、華やかであらゆる面において抜きんでた彼の一生を内面の深い心の成長のプロセスとして見る読み方をしてみてはいかがなものだろうか?一人の男性の自己実現としてその複雑さと法則性が読み取れないものだろうか?男性の生き方も、徹底して、多様化する方向に進む現代という時代に生きる一人の女性として、そう読む事が役立つ事を願って始めたい。